熊本日日新聞 2026年8月1日 19:41

ろう者の夫婦(手前)と手話で話す今泉洋子さん(右)=1日、宇城市
2026年熊本地震の避難所には障害がある人も身を寄せている。宇城市松橋町の自宅が被災し、市内の避難所に身を寄せるろう者からは1日、「周囲とコミュニケーションが取りづらい」といった悩みが聞かれた。
宇城市松橋町の松橋東防災拠点センターには、近くの30~80代のろう者5人が避難している。このうち60代の夫婦は、地震が発生した7月28日は自宅で過ごしたが、停電と断水が続くため翌29日に避難した。
熊本県手話サークルわかぎ宇城グループの今泉洋子さん(72)=宇城市=が「手話できます」と書いたビブスを着用して毎日、夫婦らを訪問し、周囲とのコミュニケーションの橋渡しをしている。ただ、突発的な事態では伝えるのに時間がかかる。
60代の夫婦は車を移動しようとしたところ、周りにほかの車が止まっていた。急きょ、今泉さんを呼んで車の移動をお願いした。
また、避難所で警察官から困り事を尋ねられ、身ぶり手ぶりで「聞こえない」と伝えようとしたが、警察官があきらめたように通り過ぎたこともあった。避難所に入る時、家族の代表者名と人数を確認されたが、ろう者であることを伝える備考欄はなかった。
夫婦は「避難者の名簿にも『ろう者』だと明記し、配慮をお願いする機会をつくってもらえれば」と訴えた。(清島理紗)
記事のポイント!
避難所では、手話ができる支援者がコミュニケーションを橋渡しする一方、突発的な場面では意思疎通が難しく、必要な支援を受けられないことがあります。災害時にろう者であることを把握し、困り事を伝えられる仕組みをあらかじめ整えておく重要性が浮き彫りになっています。
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