2025/11/26 05:05
井上敬雄
聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック東京大会」(読売新聞社協賛)は第11日の25日、女子のバレーボールとバスケットボール、バドミントン団体で日本が金メダルに輝いた。サッカーは男女ともに銀メダル。テニスの女子シングルスで菰方里菜(島津製作所)が銅、競泳の男子200メートルバタフライで茨隆太郎(SMBC日興証券)が銀だった。大会は26日に閉会式が行われ閉幕する。

サッカーの決勝で男子は日本がトルコに1―2で敗れて銀メダルだった。女子は日本が米国に0―4で敗れて2位だった。

前半、ゴールを決める林滉大
ホイッスルが鳴り、日本男子のイレブンはピッチにあおむけに倒れた。「最低でも世界一」を掲げた戦いが終わった瞬間だった。
開始早々に先制を許したものの、相手の課題とにらんでいた最終ラインの裏を狙った攻撃で対抗した。失点直後、最終ラインからの縦パスを受けた林滉大(メルカリ)が豪快に右足を振り抜き、同点弾を決めた。
しかし、世界ランキングで日本を一つ上回る3位トルコの速いプレスに苦しみ、前半のうちに勝ち越しを許すと、猛攻を見せた試合終了間際のシュートは惜しくもクロスバーに嫌われた。
2年前の世界選手権で準優勝の実績を持つ一方、デフリンピックは過去一度も決勝トーナメント進出がなかった日本。主将のGK松元卓巳(あいおいニッセイ同和損保)は「聞こえない人がいると、まず知ってもらう。ハンデで諦めるのでなく、工夫し、これだけスピーディーなサッカーができると示す」と、自国開催の好機で結果にこだわった。
大会が近づくにつれ、各選手が普段プレーする所属チームで健聴の仲間が手話を覚えるなど理解も進む中、快進撃で狙い通り注目を集めた。エース岡田拓也(アッヴィ合同会社)は「しっかり胸を張って誇れる大会になった」と口にした。大団円とはならなかったが、メインスタンドを埋めたサポーターからの万雷の拍手が、歩んできた道のりをたたえていた。(井上敬雄)
後半崩れ、米に完敗…女子も「銀」
女子サッカーの日本代表は1次リーグ初戦の0―5の敗戦に続き、決勝でも米国に完敗。30分頃、サイドを個人技で突破されて均衡を破られると、後半は我慢ができず失点を重ねた。ただ、「自陣に引いて90分間しのぐ戦い方ではなかった。積み上げてきたものは出し切れた」と山本典城監督が振り返ったように、中盤で細かくパスをつないだり、1トップの高木桜花(国際武道大)の速さを生かしたりし、惜しい場面もあった。初の銀メダルという快挙は達成した。岩渕亜依(ケイアイスター不動産)は「今までは日本は負けて当たり前。これからに希望を持てる」と前を向いた。
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