2026.07.2209:04

聞こえない人たちが集うサロン

ボランティアたちも耳が聞こえない

最年長の利用者はなんと100歳

買い出しや調理もボランティアたちが行う

心がにぎやかサロン
食事やレクリエーションなどを通して交流を深め、高齢者の憩いの場となるサロン。
伊丹市には、耳の聞こえないボランティアたちが作るサロンがあります。
静かだけど、にぎやかな唯一無二のサロンを見つめました。
手はせわしなく動き、手話で会話が弾んでいます。
このサロンは耳が聞こえない高齢者たちの居場所です。
【利用者はー】
「おいしい。バランスも取れて栄養たっぷりでありがたい」
伊丹市にある100近いサロンの中で唯一、耳が聞こえないボランティアたちが
中心となって運営しているのがこの「心がにぎやかサロン」です。
【心がにぎやかサロン 益田真由美代表】
「仕事が定年した後、家で引きこもっている方もいたので声を掛けてきました。行った人がすごくよかった、楽しかったという声を聞いたので良かったなと思いました」
サロンでは利用者とともに食事をとります。
献立を考え、調理するのもボランティアの仕事です。
【心がにぎやかサロン 下坂昭子副代表】
「暑かったり寒かったり気温に波がある。夜寒いことも多いね。みんな大丈夫?
きょうは、麻婆豆腐を作ります。担当の皆さんよろしくお願いします」
一人ぼっちの聞こえない人をなくそう 2023年にサロンを開設
心がにぎやかサロンは、聞こえない人たちの孤独をなくそうと聞こえない両親の元で育った江木洋子さんの声掛けで3年前に開設されました。
【心がにぎやかサロンを提案した 江木洋子さん】
「私は別のサロンをしていたんですよ(聞こえない人に)来てもらっても1、2回で来なくなってしまって。聞こえない人たちだけのほうが集まりやすいかなと思って手話を使う人だけじゃなくて難聴の人 聞こえにくい人も参加する場所が少ないので声を掛けています。静かだけどにぎやか」
【心がにぎやかサロン 下坂昭子副代表】
「聞こえない人が行動しようとすると限界があるけれど、私たちも来てくれた皆さんに楽しんでもらえるように自分たちで考えてやっています」
聞こえないボランティアたちが運営 伊丹市でも初の試み
サロンを運営するボランティアは10人。
このうち、耳が聞こえるのは手話通訳士の資格を持つ2人だけです。
聞こえないボランティアが主体となることで聞こえる人との間にも自然と関わりが生まれています。
【伊丹市社会福祉協議会の職員】
「聞こえない方とコミュニケーションを取りたいなと思って手話を学ばさせてもらっている。聞こえない方たちが集まってサロンをやっているのは初の試みで私も初めて見る光景」
医療や情報 聞こえないことによる格差を交流で埋めていく
この日は食事の後、健康診断が行われました。
聞こえない人たちが自身の体の不調や症状を医師たちに正確に伝えるのは簡単なことではありません。
参加者たちが適切な医療を受けられるよう手話通訳者と看護師を招き、年に2回、健康相談会を行っています。
【参加者】
「前は毎日お酒飲んでたんだけど痛風になったから週に1回 ウイスキーがこれだけくらい、ブランデーとかも」
【看護師】
「ブランデーそれはちょっと多い…」
利用者の中で最年長の三木吉一さん。100歳です。
生まれ育った豊岡市を離れ、娘夫婦が暮らす伊丹市に転居してきましたが、
ここで気が合う仲間に出会うことができました。
【利用者の中で最年長 三木吉一さん】
「楽しかったです。自転車でここまで来ました。皆と会うのがとても楽しいです」
会場の予約や食材の買い出し、サロンの準備はすべてボランティアが行っています。
【ボランティア・伊藤明子さん】
「そうめんだと、普通は一人1・5束か2束くらいじゃない?」
【ボランティア・下坂昭子さん】
「他にも具をのせるし、おにぎりもあるからそれだと多くない?」
翌日のサロンで必要な昼食は28人分。そうめんは何束必要?
お互いに意見を交わしながら買い物を進めます。
【下坂昭子さん】
「ボランティアで買い物に行くのも楽しいし、お話しするのも楽しい」
【伊藤明子さん】
「利用される皆さんに喜んでもらうためにやっています」
静かだけど心弾む 「心がにぎやかサロン」は聞こえない人たちの居場所
7月に開かれたサロン。開設から4年目を迎えました。
2カ月ぶりに参加した堀口さん夫妻。
入居する老人ホームには自分たちと同じ聞こえない人たちがいないことから
この日をとても楽しみにしていました。
【利用者はー】
「聞こえないことで情報不足になっている。それを補う意味もあって参加しているけれどみんなと交流して情報交換できていいと思う」
「(聞こえないという意味で)みんな一緒」
「ここは、居場所です」
聞こえる人たちが圧倒的に多いこの社会を心を弾ませ、自分らしく生きていくために。
ここはかけがえのない居場所になっています。
【心がにぎやかサロン 益田真由美代表】
「これからも皆さん、集まってくれる人たちが楽しいって言ってくださるので交流も必要だと思うので、ボランティアとしても頑張って続けたいと思います。
次5年、6年、7年どこまでいけるかわかりませんけど、頑張っていきたい」
記事のポイント!
食事やレクリエーション、健康相談などを通じて、聞こえない人や聞こえにくい人が手話で交流し、必要な情報を分かち合える居場所を、当事者であるボランティアが主体となって支える取り組みに注目です。
関連ページ
聞こえが気になる方は、以下のページも参考にしてください。
今の聞こえの状態を簡単に確認したい方へ
▶ 聞こえづらいと感じたときのセルフチェック
難聴の原因や種類を整理したい方へ
▶ 難聴とは?(原因・症状・種類)
まず何をすればよいか知りたい方へ
▶ 聞こえづらいと感じたときの対処法
補聴器の基本を知りたい方へ
▶ 補聴器の種類と選び方
気になる症状がある場合は
聞こえに不安がある場合は、早めに耳鼻咽喉科への相談をおすすめします。
