2025/02/23 07:17
県立美術館(長野市)は22日、聴覚障害がある人とない人が、筆談を通じて一緒にアートを鑑賞する催しを同館で開いた。参加者は作品を見て感じたり考えたりしたことを、大きな紙に色鉛筆を使って文字や絵で表現して共有。手話や音声による会話でなくてもコミュニケーションが楽しめることを体験した。

作品を見て感じたことを紙に書き込む参加者たち
催しは、全国の美術館で「耳の聞こえない鑑賞案内人」として活動する小笠原新也さん(62)=東京=と企画した。参加者は、同館で開催中の展覧会「信州から考える絵画表現の50年」で展示している岡谷市出身の画家、辰野登恵子さん(1950~2014年)の作品などを鑑賞。制限時間内で思うままに意見を書き込み、紙面を埋めた。
ピンクや青の円が連なった作品の感想には「ブドウ、プルーン、ブルーベリー」「増殖しそうな卵に見える」などの文字が並んだ。ろう者の会社員綿貫彩さん(39)=中野市=は「聞こえる人と聞こえない人が意見交換するチャンスはあまりない。こういう場が増えたらいい」。水沢幸子さん(57)=千曲市=は「自分にはない発想力が他の人にあり、すごく楽しかった」と話した。
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