聴覚障害者が絵で協力要請 救命活動に活用できるカード制作

聴覚障害者が絵で協力要請 救命活動に活用できるカード制作

小西正人
2025年3月17日 10時00分

 聴覚障害者から「友人が倒れた時に何もできず悔しい思いをした」と伝えられた三重県志摩市消防本部の消防士が、そんな時に使えるカードを発案した。緊急事態に出くわした聴覚障害者が、周囲と協力して救急車を呼んだり、応急手当てをしたりできる「救急メソッドカード」だ。市消防本部が作成した。

志摩市消防本部が作成した救命メソッドカード

志摩市消防本部が作成した救命メソッドカード

 カードは縦10.5センチ、横14.8センチのA6サイズ。目立つように「私は耳が聞こえません!助けて!」と書かれた下に、「人が倒れています」「救急車を呼んで」など、必要とする行動をイラストや文字で明示。相手に見せて、素早く確実に適切なサポートが得られるよう工夫されている。

 発案したのは、消防士の丸山莉奈さん(32)。手話で伝えられた障害者の思いに応えたかった。調べてみると、聴覚障害者向けの救命講習会は、全国的にもほとんど開かれていなかった。講習を受けなくても、簡単に使えるものとしてカードを思いついた。2024年5月の全国消防職員意見発表会でカード作りの案を発表し、最優秀賞を受賞した。

 市消防本部で6人のプロジェクトチームを作り、手話サークルの意見も聞いた。救急現場でよく使われる言葉や場面をピックアップ。カードの裏面には50音表を載せ、指でさして協力者と細かいやりとりもできるようにした。心肺蘇生法の動画がスマートフォンなどで見られるQRコードも付けた。

 カードは、23日に市消防本部で開かれる救急法講習会で配布するほか、講習会後は市消防本部のホームページからもダウンロードできる。市消防本部では「まずは市内で広め、将来的には全国に普及させたい」としている。


リンク先は朝日新聞というサイトの記事になります。


 

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