テレビユー福島
2025年2月21日(金) 13:45
末永万智
今年11月に日本で初めて開催される聴覚障害者のスポーツの祭典、「デフリンピック」の魅力をお伝えする「デフスポふくしま」。4回目のテーマは「さまざまなデフスポーツに触れる」です。末永万智アナウンサーが、2つの競技を体験しました。
末永万智アナウンサー「東京デフリンピックの開催まであと300日!きょうは記念のイベントが行われます。デフスポーツを学びに行ってきます!」

須賀川市で2月1日に開かれた、「デフリンピック開催300日前イベント」。デフリンピックのサッカーは、Jヴィレッジで行われます。イベントは、プロバスケットボールB2の福島ファイヤーボンズの公式戦に合わせて行われ、会場は盛り上がりました。
イベントの目玉は、デフバスケの体験です。バスケット経験のある小学生20人を対象に、耳が聞こえない・聞こえにくい人はどのようにプレーしているのか、耳栓をして、声を使わずに体験します。

末永アナもデフバスケを体験!
教えるのは、福島県西郷村出身で、デフバスケ元日本代表の越前由喜選手。デフバスケの難しさを、こう話します。
越前選手「デフバスケの場合は、特に時間が止まることなく動いているので、その中でお互いに止まって話すことは難しい。一瞬の間に体を引っ張ったり、サインを使ったりして、こっちだよ、あっちあっちというような、目で見てわかるサインを使うところが難しい」

末永アナも、特別に、耳が聞こえにくい状態で体験させてもらいました。
実は、元バスケ部の末永アナ。意気込んでディフェンスしますが…。
末永アナ「え~!わあ!全然分からないです、後ろに誰かが来た音も分からないから、怖いですね」

デフバスケの選手たちは、音がわからない分、後ろで手を動かして相手が来ることを触って確かめたり、相手の目線をしっかりと観察したりして、動きを予測しているそうです。
越前選手 デフリンピック東京開催は「誇り」
子どもたちも、後ろに人がいることが分からず、相手にうまくディフェンスをかわされてしまいます。それでも、手を使って相手の存在を確認するなど、さっそく学んだことを生かしてプレーしていました。
参加した小学生「普段はバスケをするときに声を出すが『スクリーン来たよ!』とか声を出しても聞こえにくいから、そこが難しかったです」

イベントでは、越前選手率いるデフバスケチームと、清陵情報高校バスケ部とのエキシビジョンマッチも開催。
笛の音が聞こえないため四隅に人が立ち、旗を上げることでファウルなどを伝えます。高校生が聞こえる状態でプレーする中、ハンドサインや目でのコミュニケーションを駆使して、圧倒的な強さを見せました。

対戦した高校生「手の動きとか、アイコンタクトでプレーしているのが違うところだと分かった」
越前選手「デフリンピックは本当に歴史があります。100年前から始まった大会です。それが東京で開かれるということを、とても誇りに思っています。」
バスケットボールの次は、デフバドミントンを体験します。
デフバドミントンの難しさは…
郡山市の県立聴覚支援学校で行われた、デフバドミントンの体験会。バドミントンサークル「デフアウル」のメンバー指導のもと、小学生から高校生までの耳が聞こえない・聞こえにくい子どもたちが参加しました。
小学生グループにはバドミントン初体験の子どもたちも多い中、打ち返し方などの基礎を楽しみながら学んでいました。

参加した子ども「今日初めてやったので楽しかった。ずっと(続けて)やってみたい」
参加した子ども「シャトルを見て打つのが、とても楽しかった」
イベントを主催した中村さん。体験会を開いた理由を聞いてみると…。
バドミントンサークル デフアウル・中村孔一さん「(私は)ろう、聞こえないということに誇りを持っているので、同じように聞こえない子どもたちにも、自分たちの夢や希望を持って挑戦してもらいたいという気持ちがあるので、選手の様子を見て、気持ちを燃え上がらせてほしい」

中村孔一さん
一方、参加した中高生と大人は、ダブルスのミニゲームで対決!バドミントン初心者の末永アナも、仲間に入れてもらいました。今回も、耳栓で耳が聞こえにくい状態で挑戦です。
飛んでくるシャトルや相手の声、そして自分の声にも頼れない中でのプレー。集中力をいっそう高めて、目からの情報を頼りにします。

末永アナ「今耳栓をしてやってみたんですけど、シャトルが飛んでくる音が聞こえないのがけっこう怖かったですね。スピードを音でどれだけ自分が判断していたのかが、やってみてよくわかった」
ダブルスのカギは「コミュニケーション」
デフアウルの橋本さんに、打ち方のコツを教えてもらいながらプレーしますが…。
末永アナ「わ~」
声が出せないと、ペアの人とうまく連携をとることができません。

末永アナ「声が出せないのは難しいと思った。後ろで、はいはい!俺行くよ!というのがあればいいが、どっちが行くかわからなくて、コミュニケーションの取り方が難しいと思いました」
デフバドミントンのダブルスは、何よりも試合前の入念なコミュニケーションがカギ。前は自分が取る、後ろは任せる、など、二人のルールを事前に細かく決めておくといいそうです。

橋本さんがバドミントンを続けるのは、デフスポーツを多くの人に知ってほしいからだといいます。
バドミントンサークル デフアウル・橋本繁輝さん「聞こえる方々にもデフリンピックのことについて知ってもらえるように、これから自分なりにアピールしていければなと思っている」
見ているだけでは、聞こえる人との違いが分からないデフスポーツ。でも、実際に体験すると、聞こえない・聞こえにくいからこその面白さや工夫が、たくさんありました。
リンク先はTBS NEWS DIGというサイトの記事になります。

