2025-07-03

ソフトバンクショップでは、聴覚に障がいのあるお客さまにも安心して携帯電話をご利用いただけるよう、手話対応が可能なスタッフが常駐する「手話カウンター」や、障がいのある方に向けた総合的なサポートサービス「スマホライフサポート」を設けています。
聴覚サポート全体を統括している戸丸さん、ソフトバンク渋谷で手話接客を担当している関さんに取り組みについてお話を聞きました。

ソフトバンク株式会社 コンシューマ営業統括 推進統括部 直販営業部 営業1課
戸丸 秀樹(とまる・ひでき)
2006年にソフトバンク入社。全国ソフトバンクショップ直営店の統括を担当。

ソフトバンク株式会社 コンシューマ営業統括 推進統括部 直販営業部 営業1課 2チーム
関 剛志(せき・たけし)
2009年にソフトバンク入社。ソフトバンク渋谷の店長。学生時代から学んでいる手話を生かし、店内に設置されている手話カウンターでの接客も行う。
目次
- 「直接クルーと手話で会話できることがうれしい」。聴覚障がいがある方が安心して相談できる環境を整備
- お客さまに寄り添ったコミュニケーションが実現できる体制を作る。ショップ全体で取り組む手話スキルの向上と連携
「直接クルーと手話で会話できることがうれしい」。聴覚障がいがある方が安心して相談できる環境を整備

聴覚障がいがある方のサポート制度を導入した背景を教えてください。
戸丸 2001年に手話ができるスタッフが常駐する「J-フォンハンズサインセンター」としてオープンし、2004年に「ボーダフォンハンズサインセンター」として直営店となりました。その後、2010年にソフトバンク渋谷に手話スタッフが常駐する「手話カウンター」を設置しました。日常生活で手話や筆談でコミュニケーションを取っている聴覚に障がいのある方々が安心して相談や契約などの手続きをしていただけるよう、対応できるスキルを持つスタッフが常駐し、誰もが利用しやすい環境づくりを行っています。
月間でどのくらいのお客さまが利用しているのでしょうか。
戸丸 手話カウンターを設置しているソフトバンク渋谷とソフトバンク名古屋では、毎月200〜300人の方がサポートを希望して来店されます。遠方から来店する方もいて、第三者を介さずに自分の言葉でクルーに要望を伝えられる「手話カウンター」は、非常に意義のあるサービスだと感じていますね。
また、手話カウンターが常設されていないショップでサポートが必要になった場合は、ソフトバンク渋谷とそのショップをオンラインでつなぎ、遠隔にて手話サポートを実施しています。また、メールやFAXでの接客をひと月で350件ほど対応しています。
遠方の方でも手話接客が受けられるんですね! サポートの内容について改めて教えてください。
関 障がいのある方やスマートフォン操作に不安を感じるユーザーに向けた総合的なサポートとして、「スマホライフサポート」があるのですが、内容をそれぞれご紹介します。
障がいのある方がスマートフォンを安心して使えるように支援する「スマホライフサポート」

音声読み上げや画面拡大などの設定、操作方法の説明、サポート機器の案内など、一人一人のニーズに応じた丁寧な対応を行っています。
①手話カウンター
手話でのコミュニケーションが可能な専門スタッフが常駐する窓口で、ソフトバンク渋谷とソフトバンク名古屋の2店舗に設置されています。スマートフォンの契約・機種変更・料金相談などを手話を第一言語とする人がダイレクトにコミュニケーションできるようにする対面型サポートです。
②遠隔手話
クルーとお客さまの間に手話通訳者を遠隔で接続し、テレビ電話を介してコミュニケーションをサポートするサービスです。手話スタッフが常駐していないショップでも、スムーズに相談や契約をすることができます。手話カウンターが常設されていないソフトバンクショップの直営店やスマホアドバイザー在籍店舗などで利用することができます。
③メール・FAX受付
電話の代わりにFAXを通じた問い合わせや申請などを行えるサービスです。所定のFAX申込用紙に記入して送信することで、手続きや確認を受けることができます。回答もFAXで返信されるため、口頭でのやりとりを避けることができます。
④チャットサポート
電話での会話が難しい聴覚障がいのあるお客さまに向けたテキストチャットによるサポート窓口です。スマートフォンやパソコンから、問い合わせ内容を文字でやりとりでき、契約内容の確認や各種手続きの相談などが行えます。コールセンターの専任オペレーターがリアルタイムで対応します。
⑤ハートフレンド割引
障がいのある方向けの特別な料金優遇サービスです。障がい者手帳などの所定の証明書を提示することで、基本使用料や通話料などに割引が適用されます。対象となるプランや割引内容は時期や契約条件により異なりますが、聴覚障がいを含む身体障がい者や療育手帳保持者などが対象です。

スムーズなご利用のために、24時間いつでもWebサイトから利用できる「かんたん来店予約」での事前予約をおすすめしています。
サポートを利用した方からはどんな感想がありますか?
関 聴覚障がいがあるお客さまから、「ひとりでショップ店舗に行くのは不安だし、手話通訳がいても専門用語が伝わりにくいことがある」と聞いています。そのような中で、手話カウンターで手話話者と顔を見ながらじっくり話せると「ちゃんと自分で選べた」という安心感があり、すごくうれしいと感じてもらえるようです。
応対のときに特別に意識していることや工夫などはあるのでしょうか。
関 ソフトバンク渋谷は、手話対応カウンターが地下1階に設置されています。このフロアの壁面には、聴覚に障がいのある方が見やすいよう、大きな文字で書かれた案内表示や掲示物が配置されています。モニターには、手話で案内を行うスタッフの映像が流れており、ご来店されたお客さまが安心してサービスを受けられるよう工夫されています。接客の際には、筆談を希望される方にはメモボードを用意するなど、スムーズに意思疎通が図れるように配慮しています。



また、聞こえにくさへの配慮から、視覚情報が重要になってくるので、画面の大きいiPhone Plusシリーズをおススメさせていただく場合が多いです。大画面の方が視認性が高く、提案する際にもその点をよくご案内しています。後は、文字サイズの調整などアクセシビリティ機能についても積極的にお伝えしていますね。
お客さまに寄り添ったコミュニケーションが実現できる体制を作る。ショップ全体で取り組む手話スキルの向上と連携
手話スキル向上のためにショップ内で行われている研修や取り組みはあるのでしょうか。
戸丸 クルーの中にも聴覚障がいがある方もいるので、普段からすべてのクルーが手話に触れられるようソフトバンク渋谷では定期的に手話講座を実施しています。あいづちの仕方や簡単な会話表現、「ありがとう」などの単語の語源を紹介しています。「手話がなぜその形になっているのかなど、初めて知ることばかりで学びが多い」とクルーからの反応もよく、実際に手話を覚え始める人もいました。

ショップ内で聴覚障がいがあるクルーとはどのように連携を行っているのでしょうか。
戸丸 休憩時間や業務中にも、筆談アプリや文字起こしアプリなどを活用しながら情報共有している場面も多く見かけます。特に、ソフトバンク名古屋は手話カウンターと通常のカウンターが同じフロアにありクルー同志の距離が近いため、簡単な手話でコミュニケーションがとれるクルーも自然と増えてきました。そのような環境が、お客さま対応の質の向上にも自然とつながっていると感じています。
また、お客さまに手話で安心してご相談いただける環境を整えるためには、同時に手話で対応できるクルーが接客の現場にいることが欠かせません。手話対応が可能なクルーの採用も積極的に進めていて、より多くのお客さまに寄り添ったコミュニケーションが実現できる体制づくりを目指しています。手話による接客に興味がある方がいれば、ぜひ検討してみてほしいです。
ソフトバンク クルーの採用情報

クルーの仕事や1日の様子、実際に活躍する仲間の紹介など、ソフトバンク クルーの活動内容を確認してみてください。
今後の展望を教えてください。
戸丸 ショップが近くにない地域や、オンラインでの手続きが難しい聴覚障がいがあるお客さまもいらっしゃると思うので、操作方法や設定をサポートするための移動型車両の「スマサポ号」のような、スマートフォンの使い方に不安がある方のもとへスタッフが訪問するようなサービスを考えていきたいです。併せて、災害時にも手話クルーが派遣できるような体制を整えていきたいです。
関 相談事はやはり、お客さまご自身の言葉でお話しいただくことが一番大切だと考えています。せっかく手話でお気持ちやご希望を伝えてくださるのですから、その声をしっかり受け止めた上で、最適な端末をご提案できればと思っています。ぜひ、安心してご相談ください!
(掲載日:2025年7月3日)
文:ソフトバンクニュース編集部
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