目で見る言語「手話」、4000人いる「通訳士」の担い手は不足

目で見る言語「手話」、4000人いる「通訳士」の担い手は不足

[New門]は、旬のニュースを記者が解き明かすコーナーです。今回のテーマは「手話」。

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ろう者が手の動きや表情で意思疎通するのに欠かせない「手話」。

目で見る言語とも呼ばれ、普及を目指す手話言語条例が鳥取県で初めて制定されてから10年となる。

条例は490を超える自治体に広がる一方、手話通訳者の不足が課題となっている。

全国490自治体 相互理解へ条例
「私は音のない世界にいます。みんなが手話であいさつしてくれたら心があたたかくなります」。

今年6月、北海道石狩市立紅南小学校で、1年生の児童約60人に石狩聴力障害者協会会長の杉本五郎さん(76)が手話で語りかけた。

同席した手話通訳者が子どもたちに意味を伝える。

杉本さんが講師を務めるのは、市の手話言語条例に基づいて2014年に始まった公立小中学校への出前授業だ。

年間で250回以上、実施されている。

杉本さんは「手話はろう者にとっての命。聞こえない人の立場を理解し、手話や筆談などを使って互いに理解し、支え合う人が増えればうれしい」と語る。

手話を必要とする人が安心して暮らせる地域を目指す手話言語条例は、13年に鳥取県で初めて成立した。

全日本ろうあ連盟が各地での制定を後押しし、現在は全国490超の自治体に広がる。

首長の記者会見に手話通訳がつくなど、様々な取り組みが進んでいる。

排除の歴史も
手話は人々の暮らしとともに各地で育まれ、受け継がれてきた。

関西と関東などの方言があるほか、つぼみが花開くイメージで「令和」に対応するなど、新しい単語も生まれている。

アメリカ手話やフィンランド手話などもある。

国内でのろう教育は1870年代に京都で始まり、全国に広がった。

各地で孤立していた聞こえない子どもたちが集まり、ろう者らがコミュニティーを形成する中で共通の手話が誕生したとされる。

しかし、相手の口の動きを読み、発声訓練をする口話法が海外から導入されると、ろう教育で手話を重視しない動きが広まっていった。

1920年代以降、手話は口話を妨げるものとして教育現場から排除された。

口話は聴力を失った時期や聞こえない程度によって習得が難しい場合もあり、子どもたちは教師から隠れて先輩の手話を覚えるなどしていたという。

リンク先は讀賣新聞オンラインというサイトの記事になります。
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