山口県長門市で活動する「長門手話友の会」(植村明仁代表)は、50年以上にわたって長門市内で手話学習などに取り組んできた。長い歴史の中で会に所属したメンバーは累計で千人に上るという。

毎週火曜の夕方に定例会を開催し、手話や聴覚障害者とのコミュニケーションの取り方を学ぶ。
夕方に集まれないメンバーのために、昼の部も毎月2回開いている。小中学校への手話指導や長門市社会福祉協議会と連携する手話教室なども実施し、積極的に地域に入り、手話の啓蒙(けいもう)活動を続けてきた。
1990年代に放送された聴覚障害者が主人公のテレビドラマ「星の金貨」「愛していると言ってくれ」の影響で「手話ブーム」が起き、手話教室の会場が満席になることもあったという。
現在は「一緒に楽しむ」ことを目指して、聴覚障害者との交流を目的としたお花見や映画観賞などの戸外活動、親子連れなどを対象にした「夏休み手話教室」も催す。現在のメンバー23人のうち19人は女性。10~80歳まで幅広い年代の人たちが集う。
事務局を務める安野美紀さん(53)は「音が聞こえない世界を知ることで、聴覚障害者がどんなことに困っているかに気付きます。『みんなちがって、みんないい』をモットーに、その時間にその場所に行けばいつでも変わらず迎えられる場所を目指して末永く活動を続けたい」と話す。
住みよい地域社会や男女がともに参画する社会をつくるため、女性が中心となって活動に取り組む団体に贈られる「第18回女性いきいき大賞」(コープやまぐち主催、朝日新聞社など後援)で、長門手話友の会はコープやまぐち奨励賞を受賞した。(白石昌幸)
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