2025.11.11(火) 06:50
TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤 Live Junction」(毎週月~金曜20:00~)。放送では、11月15日に開幕する「東京2025デフリンピック」に向けて、 “手話”における現状の課題について取り上げました。
◆デフリンピックに向け、コンビニが手話講座
9月23日の「手話の日」を前にコンビニエンスストア大手「LAWSON」は店舗従業員に向けた手話講座を開催しました。今回受講したのは、聴覚障害者の国際スポーツ大会「東京2025デフリンピック」(11月15日(土)〜11月26日(水)) の競技会場に近い店舗の店長など約20名。

大会期間中は、聴覚や言語に障害がある客の来店が増えることを想定し、簡単な手話での挨拶や接客などを学びました。
受講者は店員と聴覚障害者の役割に分かれ、実践的なコミュニケーションも体験。手話だけでなく聴覚障害者が感じる不安や必要なサポートについても学んでいました。

LAWSONでは手話講座を開催する店舗の拡大を検討しているそうで、LAWSONサステナビリティ推進室の平石さんは「(スタッフも)教えてもらわないと、どういう声かけ・サポートができるかわからないと思う。人との違いを知り、相手のことを理解し、どういう対応ができるのか。人に優しい店舗作りができれば」と今後の展望を語ります。
手話を学び、手話でインタビューなどを行っているキャスターの田中陽南は「聴覚の障害がある方と(2025大阪・関西)万博会場に取材に行った際、万博のスタッフが手話で挨拶してくれて、聴覚障害者の方がとても喜んでいた。身近なコンビニでこういう取り組みは素晴らしいと思う」とLAWSONの姿勢を称えます。

タレントのふかわりょうさんも「コンビニでこういう講習があることは素晴らしい」と賛同。さらには「コンビニの店員さんはやることがたくさんある、これだけのことを対応するのは大変だと思うので、時給を上げてほしい」と望みます。

◆実は国ごとに違う…手話の大きな課題
「東京2025デフリンピック」の会期中は海外から多くの選手団が来日しますが、そこには大きな課題があります。それは“手話の違い”です。手話は音声言語同様、基本的に国ごとに異なります。

現在はそれを解決しようと、国をまたいで使える「国際手話」がありますが、これはまだまだ普及していません。田中によると、世界で活躍しているデフアスリートでも国際手話ができない方も多いそうです。
そうしたこともあり、都内の鉄道会社が急ピッチで進めているのが、文字化・多言語化の取り組みです。JR東日本などでは、二次元コードを読み取ると駅で流れている音声アナウンスが、スマートフォンで文字で読める仕組みを導入。8月から試験的に5つの駅で導入されています。

また、多摩モノレールでは駅の係員とのやりとりを音声だけでなく文字入力できるようにし、さらには英語や中国語など13ヵ国の言葉に翻訳できるよう9月から全駅で運用しています。

こうした対応に、経済ジャーナリストの萩原博子さんは「こういうのこそ新幹線などでどんどん取り入れていただきたい」と拡大を熱望します。

気象予報士でフリーキャスターの根本美緒さんも共感しつつ「今はAIでいろいろ便利になり、聴覚障害がある方も何かしら(文字入力できる機械などを)持っていて、それを私たちに見せてくるかもしれない。そういうときにこっちがちゃんと受け入れる体制、みんながその心づもりでいることが大事だと思う」とも。

また、ふかわさんからは「手話の普及の一方で、音声を文字に変換するアプリなどもあり、そうなると手話自体の必要性とぶつからないのか……」との懸念が。これに対し、田中は「それでいうと、私たちの声の言語もなくなるかといえばそうではない。手話のほうが伝わりやすい方もいるし、文字のほうが見やすい方もいる」とどちらも必要であると強調。キャスターの堀潤も「一度生まれたコミュニケーションツールはなくならない。その代わりバリエーションが増えていくといい」と頷いていました。

<番組概要>
番組名:堀潤 Live Junction
放送日時:毎週月~金曜 20:00~21:00 <TOKYO MX1>
無料動画配信サービス「Rチャンネル」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/live-junction/
番組X(旧Twitter):@livejunctionmx
番組Instagram:@livejunction_mx
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