山形放送
2025年10月17日 16:41
日本初開催となる聴覚障害があるアスリートたちの祭典・デフリンピックの開幕まで1か月を切りました。前回大会の水泳競技で金メダルを獲得し、今回もメダルが期待される酒田市出身の日本代表選手を紹介します。陸上競技で初出場の弟と臨む、世界の舞台への思いとは。
プールで力強い泳ぎを見せるのが、酒田市出身のデフ水泳日本代表・斎藤京香選手(24)。
3歳の頃、難聴と診断されました。
11月15日に東京で開幕するデフリンピック水泳競技のバタフライ3種目に出場します。
9月、練習拠点の関西から故郷・酒田市に里帰り中の斎藤選手は、この日、地元の水泳教室の練習に加わっていました。
斎藤京香選手「久々に後輩に会えてみんなきつそうな練習をしているので自分もがんばろうって気持ちになる」
酒田水泳教室の後輩「優しくて笑顔が素敵な人。すごくダイナミックな泳ぎをしていて速いので憧れる」どんな泳ぎを見せてほしい?「金メダルを取るような泳ぎ」
斎藤選手は小学1年から水泳を始め、2017年、高校2年でデフリンピックに初出場。
そして2022年、大学進学後に出場したブラジル開催の前回大会の100メートルバタフライで優勝。デフリンピックでは県勢45年ぶり、2人目の金メダルに輝きました。
この活躍に励まされたのが、斎藤選手の弟・丞さん。同じく聴覚障害があり、酒田市内の企業で働きながら競技に打ち込んでいるランナーです。
斎藤丞選手「姉が世界一を取った姿を見て“かっこいい”姉と一緒にデフリンピックに出たい」
前回大会での代表入りを逃し、一度は競技を辞めることも考えていた丞さんでしたが、姉弟そろってのデフリンピック出場という新たな目標を掲げて3年間練習を重ねてきました。
その結果、男子1500メートルと5000メートルで見事、夢の日本代表入りを決めたのです。
斎藤京香選手「有言実行したのは弟だけどすごいかっこいいなって。逆に私も勇気づけられた」
斎藤姉弟が出場するデフリンピックは、障害のため耳が聞こえないアスリートの祭典で、補聴器や医療機器を外した状態で競技に臨むため、選手たちは、音が聞こえない中でパフォーマンスすることになります。コーチなど周囲の人とのコミュニケーションや、崩れやすい平衡感覚を保つことも求められるといいます。
斎藤京香選手「ターンをした後にまっすぐ戻ることが難しい」
この日、斎藤選手は姉弟ともに中学3年まで通っていた母校・県立酒田特別支援学校での壮行会に出席しました。
「力を出し切ってがんばってください」
斎藤京香選手「最後まで体がきつくても自分の最高のパフォーマンスを発揮できるように楽しみながらレースに臨みたい」
斎藤丞選手「どんな状況でも諦めずに感謝の気持ちを持って全力で走ってきます」
姉と弟、きょうだいで挑む夢の舞台。
斎藤京香選手「四六時中一緒に過ごしてきた弟でもあるし、デフの仲間。同じ障害を持っているからこそ分かり合える心強い存在。今まで育ててくれた両親への恩返しの意味でも笑顔で楽しく泳いでいる姿を見せてあげたい」
初出場となる斎藤丞選手の目標は決勝進出。
3大会連続出場の斎藤京香選手は、前回を超える2つ以上のメダル獲得を目指します。
11月15日に開幕する東京デフリンピックには、斎藤姉弟を含む県出身選手4人が出場します。
最終更新日:2025年10月17日 19:42
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