国際小児耳鼻咽喉科学ジャーナル
第194巻、2025年7月、112371
国際小児耳鼻咽喉科学ジャーナル
キルステン・ アーバーグ、アイダ・ ジェンセン・ フリス、カミラ・ベニック・ スリンジ、アンダース ・ブリッツ、ルイーズ・ デヴァンティエ
https://doi.org/10.1016/j.ijporl.2025.112371
概要
目的
この研究は、さまざまな期間(0、1、3年)のリハビリテーション プログラムに参加した小児における人工内耳挿入後 5 年での聴覚言語療法(AVT)が話し言葉および実用的なスキルに与える影響を評価することを目的としました。
方法
本研究は、人工内耳を装着した87名の小児を対象とした後ろ向きコホート研究として実施されました。対象は、人工内耳装用期間に基づき、0歳群19名、1歳群33名、3歳群35名に分けられました。言語能力および語用能力は、人工内耳装用後5年目に、臨床評価言語基礎を用いて評価されました。
結果
インプラント埋入後5年で言語発達に有意差が認められ、3年間のAVTを受けた子どもは、0年間または1年間のAVTを受けた子どもよりも、コア言語スコア(CLS)と表現言語指標(ELI)のスコアが高かった。0歳群と1歳群の間には有意差は認められなかった。正常範囲内の成績を示した子どもの割合は、0歳AVT群では47%(CLS)および53%(ELI)であったのに対し、1歳AVT群では61%(CLS + ELI)、3歳AVT群ではそれぞれ83%および80%に増加した。語用的スキルについては、群間差は認められなかった。
結論
この研究は、人工内耳を装着した子どもの最適な言語発達を促進する上で、早期かつ長期的なAVTが極めて重要であることを強調しています。5年後も、3年間のAVTを受けた子どもは、0年間または1年間のAVTを受けた子どもよりも優れた成績を維持しました。AVTが言語能力と語用論能力に及ぼす影響が持続するか、あるいは時間の経過とともに変化するかを評価するには、長期的な研究が必要です。
リンク先はScienceDirectというサイトの記事になります。(原文:英語)
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https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0165587625001582?utm_medium=newsletter&utm_source=hearingtracker.com